就職活動を一度でもしたことがある人であれば、企業の出す求人がウソだらけということは知っていると思います。こちらは真剣に仕事を探しているというのに、正直殺意が湧いてくるレベルだと思います。そんな求人を出している会社の担当者は、刺されても文句はいえないでしょうね
では、求人票のウソを見抜くにはどうすればいいのでしょうか?
まずはブラック業界を見抜き、その業界は避ける
世の中には色々な業界がありますが、業界全体がブラックでホワイト企業は皆無なのではないかという業界もあります。
代表的なのは、外食産業です。調べれば調べるほど、大手企業でも過労死を出していたり、激務で休みはほとんどナシ、給料は安いということがわかってきます。自分の店を持ちたいという夢を持っている人はいいのでしょうが、それ以外の人にとってはただのブラック企業です。
ニートという状況ですと採用されやすいところに……と考えがちです。それは間違っていませんし正しい戦略ですが、明らかにブラックだと思われる業界、会社は避けてください。最悪死ぬ可能性があります。
求人誌を見ていると、確かに外食産業は募集が多いです。そして「働きやすい環境!」「月収30万円以上可!」「みんなでわきあいあいと楽しく働いています!」などといって、社員が笑顔やガッツポーズをしている画像が載っています。高確率でウソですので、騙されないでください。
外食産業に限らず、大手なのに過労死を出していたり、裁判沙汰になっている会社が多い業界はあります。大手すらそうなのですから、その業界の中堅どころ、中小零細企業はもっと酷い可能性があります。全力で避けましょう
また、しょっちゅう求人を出している会社が多い業界も注意が必要です。全部が全部そうだとは限りませんが、求人誌を一冊買ってみて、求人一つ一つを業界ごとに分類していき、求人が多い業界はブラック業界の可能性が高いです。離職率が高いからそんな状況になってるわけです
社名をネットで検索してみる
ブラック業界の求人をはぶいた上で、仕事を探します。気になった求人があればネットで検索しましょう。普段は検索結果の1ページ目や2ページ目くらいまでしか見ないと思いますが、もっと詳しく見ます。10ページくらいまではチェックしましょう。
また、関連ワードに「○○ ブラック」なんて出てきたらもうほぼ確定かもしれません。このくらいは序の口ですが、やらない人がいるから今もブラック企業には人材が絶え間なく来ているのです。
また、ブラック業界は省いたつもりでも、まだ省ききれていない可能性があります。その気になった会社の業界を調べて「○○業界 実態」などで検索してみてください。よほどニッチな業界でなければ結構詳しく知れます。その結果ブラック業界だと判断すれば、その業界の会社はブラックリストにして省きます
転職口コミサイトで調べる
「みんなの就職活動日記」「転職会議」「キャリコネ」などです。あまりに小さい会社でなければ口コミが載っています。その企業で働いていた人の口コミ、採用面接を受けた人の口コミなどが載っています。
普通、ここまでやれば「その会社は一般的にブラックと思われているのか」はわかります。ある程度絞込みはできたわけです。
しかし、ネットの限界か口コミがない会社は調べようがありませんし、あとは自分で調べるしかありません。
知り合いに聞く
ネットの情報だけで見極められればいいですが、ダメならあとは実際の生の情報を集めるしかありません。
親に聞いてみるのもいいですが、友達や知人にも聞いてみましょう。「○○って会社受けてみようと思うんだけどどうかな?」とか「○○業界ってどうかな?」とか。本人がその会社や業界に関わっていなくても、知り合いの話を聞いて実態を知っている可能性もあります。どんな些細な情報も聞いてみましょう。人生がかかってるんですから。
友達で法人向けの飛び込み営業をやっているような人がいれば、色んな会社に行ったことがあるはずなので聞いてみましょう。案外行ったことがある可能性もあります。
面接で見極める
ネットの情報検索だけでブラックかどうか判断できればそれに越したことは無いのですが、ネットにも限界があります。インターネットは、ネット上にある文書データしか閲覧できないのです。まだネット上に存在しない企業情報は、閲覧しようがありません
なので、ネットで検索してある程度絞り込んだら、あとは実際に受けてみて、面接まで行ったらそこで判断するしかありません。
実際にその会社に行ってみれば、その会社で働いている従業員も目にする機会があると思います。従業員が死んだ目で働いていたり、罵声が響いている会社であれば明らかにブラックです。内定を得ても避けたほうがいいかもしれません
また、面接で会社に入ってすぐあれ?と直感で嫌な予感を感じた会社も避けたほうがいいでしょう。人間の直感は案外信用できます。
面接で、担当者と話して理想ばかり話す人間の場合も、注意が必要です。面接の担当者というのはある程度役職がある人間がやるものであり、案外経営者に近い立場です。そんな人間が理想ばかり語っているということは、現場との剥離が起こっているということです。
つまり、経営陣は理想ばかり並べ立てているが、現場で働いている人間は現実に翻弄されており、経営陣は現場からの声を黙殺している。そういうことが読み取れるのです。つまりはブラックの可能性が高いということです。現実をちゃんと認識している人間であれば、そんな理想ばかり言いません。
かといって、現実的なことばかり言う、卑屈な感じの担当者が出てきた場合も注意が必要です。単にその会社は儲かっていない、将来性が無い可能性もあります。
非常に難しいのですが、実際に見てみた情報を総合し、自分で判断しないといけません
面接で待遇について聞くという方法もありますが、「働く前から待遇のことを考えている」みたいに思われ、マイナス印象の可能性があります。聞いてみるのもアリですが、受からなかったからと言って文句は言わないでください
結局は入ってみないとわからない
ここまで書いておいてなんですが、会社など実際に入って働いてみなければわかりません。
ある程度ネットの情報で絞り込んだら、あとは実際に面接に行って見極めて、まあ大丈夫だろうと思ったら実際に働いてみるしかありません。誰かにとってはブラック企業でも、他の人にとっては働きやすいいい会社、なんてこともあります。蓼食う虫も好き好き、その会社が貴方にとってのブラック企業かは働いてみないとわかりません
働き始めて求人票の虚偽記載があったり、ブラック企業だと判断した場合、即刻辞める覚悟も必要だと思います。すぐ辞めれば職歴にならないし、お互いにとっていいので
私の場合
私は当時就職活動をしていた時、コンビニでアルバイトをしていました。就職活動をして内定を得たものの、不安だったのでコンビニのオーナーに「就職活動をして内定を得て来月から働き始めることになったのですが、自分に合わずもしかしたらすぐ辞める可能性もあります。そうなったらまた戻ってきて働いてもいいですか?」と聞いて承諾を得て、保険をかけておきました。
で、実際に内定先で働き始めたのですが……一週間くらいしてから正社員採用で来たのにアルバイト採用だったことが発覚し、そこで上司とモメて翌日には辞めました。試用期間中だけアルバイト…というのではなく、本当にただのアルバイト採用でした。その業界では大手だったのですが、大手でも信用などできたものではありません。
で、コンビニバイトに戻りました。それからまた内定を得たので働き始めたのですが……。ここもすぐに辞めました。送迎兼現場作業的な仕事だったのですが……毎日豪雪地帯に送迎に行くにも関わらず、社用車が車両保険に入っていないので事故ったら自腹で直せとかいうクソ会社でした。
しかも求人票に書いてあった社会保険は無し(社会保険無しで正社員と呼べるのだろうか?)、給料もウソで残業代無し、年間休日110日だったのに実態は週休1日、賞与アリのはずがナシ……。ここは一ヶ月くらいはいたのですが、「こいつは長く働いてくれるだろう」と思ったのか、一ヶ月してから上記の不都合な真実を述べてきました。翌日にバックれて辞め、一週間後にはコンビニバイトに戻りました。先輩からもう少し前に聞いていたので、もっと早く辞めるべきだったかも知れません。
これらの苦い経験から、「会社なんて信用できない。本気でやらないと一生底辺のままだ」と思い、手段を選ばず就職活動をして、ようやく三社目にしてマトモな企業に当たったので、今もその会社で働いています。二回もコンビニバイトに出戻ったときは、オーナーに苦笑いされましたが
上記の二社に入った際、同時期に入った人もいました。「こんな会社なのに働き続けるの?」と聞くと「他に行くアテもないし……とりあえず働くよ」ということで働き続けたようです。今もいるかはわかりませんが…。結局は泣き寝入りです。
正直自分の見る目が無かったというのも、敗因だったと思います。ですが、これでも明らかにブラックと分かる会社は排除し、ハローワークの担当者にも「悪くは無いんじゃないかな」程度には言われた会社でした。でも、その程度では実態はわからなかったわけです。これから仕事を探す人も、最悪このくらいはする覚悟を持たないとブラック企業に搾取される人生しか待っていないと思います
会社側は、非常に強気です。「代わりはいくらでもいるんだよ?」くらいの考えです。正社員で募集かければいくらでも来ますし。正直求職者はナメられているので、こちらもいつでも辞められるという選択肢を持たないと、いいように使われてしまいます。会社側に足元を見られてはいけません。
まとめ
○ネットで調べて、明らかにブラックだと思われる業界、会社は候補から外す
○ネットに情報がなければ、知り合いに聞く
○それでもわからなければ、あとは飛び込んで自分で見極める
○ブラック企業に当たってしまったら、職歴にならないうちに即刻辞める覚悟を持つ
私くらいストイックにマトモな会社への就職を目指す人は少ないかもしれませんが、自分の人生がかかっているのでこのくらいやらないとダメだと思います。やってる人はもっと徹底的にやってるかもしれません
ハローワークメインで就職活動をしていたのでそのせいかもしれませんが、求人票の虚偽記載は普通です。ウソばっかりです。最近は企業のコンプライアンスだとかなんだとか言われていますが、会社なんて儲かれば何してもいいくらいに考えてるはずなので、信用できません。世間知らずな情弱は搾取されます
まずは疑ってかかって、人生を賭けるのに値する会社か?本気で見極めましょう。「このくらいでいいや」「このへんで妥協しとくか」なんて考えだと、所詮その程度の人生しか待っていません